現実主義の伯爵令嬢はお伽話のプリンセスと同じ轍は踏まない
「何?僕が女性から手紙を貰ったのが面白くない?」
「そうじゃないわ」
「そうかな?素直に言って良いんだよ?」
「だから違うってば!ヴェネディクトがモテるのもたまに女性から手紙をもらってるのも以前から知ってるのに、今更ヤキモチ焼くわけないじゃない」
ぷいっと顔を背けながら不満げに言って、グレースは自分で驚いた。
ヤキモチだなんて!なんでそんな言葉が出てきたのだろう。こんな言い方をしたら、まるで本当にヤキモチを焼いているみたいに受け取られかねない。
「それもそうか。つまらないな」
でもヴェネディクトは気付かなかったらしい。残念そうに呟きながら、手紙に視線を戻した。
「で、なんと書かれてあるのかな?」
気不味くなってそれ以上口を開けなくなったグレースに代わって質問してくれたのは、他ならぬグランサム公爵だ。ただその口元にはニヤニヤとした笑みが浮かんでいて、面白がっているのが見て取れる。
「そうじゃないわ」
「そうかな?素直に言って良いんだよ?」
「だから違うってば!ヴェネディクトがモテるのもたまに女性から手紙をもらってるのも以前から知ってるのに、今更ヤキモチ焼くわけないじゃない」
ぷいっと顔を背けながら不満げに言って、グレースは自分で驚いた。
ヤキモチだなんて!なんでそんな言葉が出てきたのだろう。こんな言い方をしたら、まるで本当にヤキモチを焼いているみたいに受け取られかねない。
「それもそうか。つまらないな」
でもヴェネディクトは気付かなかったらしい。残念そうに呟きながら、手紙に視線を戻した。
「で、なんと書かれてあるのかな?」
気不味くなってそれ以上口を開けなくなったグレースに代わって質問してくれたのは、他ならぬグランサム公爵だ。ただその口元にはニヤニヤとした笑みが浮かんでいて、面白がっているのが見て取れる。