現実主義の伯爵令嬢はお伽話のプリンセスと同じ轍は踏まない
すると公爵も食事の手を止めて、小さく頷いた。
「貴族も庶民も関係なく、どこの家庭も所詮は女性が実権を握っているもんだ。その女性達に評判が悪くては事業にも悪影響が出る。慎重に行動すべきだ」
「ご忠告、痛み入ります」
ふうっと面倒くさげにため息と一緒に出て来た言葉には不満が満ちている。
「別に女性に嫌われても僕は構わないんです。大体、恨まれる程思わせぶりな態度も取っていませんし。イーディス嬢は常識的で控えめな人ですから、勘違いしたり自分勝手に悪口を言いふらしたりもしないでしょうし」
「……随分、高評価なのね」
ヴェネディクトが女性を褒めるなんて初めて聞いた。
「妥当な評価だよ。少々控えめ過ぎるとは思うけどね」
つまり私とは真逆のタイプなのね、と心の中で呟いたグレースは別の事を口にした。
「貴族も庶民も関係なく、どこの家庭も所詮は女性が実権を握っているもんだ。その女性達に評判が悪くては事業にも悪影響が出る。慎重に行動すべきだ」
「ご忠告、痛み入ります」
ふうっと面倒くさげにため息と一緒に出て来た言葉には不満が満ちている。
「別に女性に嫌われても僕は構わないんです。大体、恨まれる程思わせぶりな態度も取っていませんし。イーディス嬢は常識的で控えめな人ですから、勘違いしたり自分勝手に悪口を言いふらしたりもしないでしょうし」
「……随分、高評価なのね」
ヴェネディクトが女性を褒めるなんて初めて聞いた。
「妥当な評価だよ。少々控えめ過ぎるとは思うけどね」
つまり私とは真逆のタイプなのね、と心の中で呟いたグレースは別の事を口にした。