現実主義の伯爵令嬢はお伽話のプリンセスと同じ轍は踏まない
「レディング伯爵はどんな方なの?」
その令嬢を利用してまで知り合いたいと願ったのはどうしてだろうと疑問に思ったのだ。
「質の高い石炭が出る鉱山を持っている人だよ。機を見るのが上手くて事業も拡大させてるけど、疑り深くて新しく取引を始める事を嫌う面があるんだ。彼と商売出来たなら心強いけど、それまでが大変なのさ」
「そう……」
これではレディング伯爵本人というより事業主としてのレディング伯爵の評価だ。つまりヴェネディクトにとって、レディング伯は取引相手でしかないということだろうか。
グレースが戸惑うのにも気付かずヴェネディクトは説明を続ける。
「石炭はどんな事業にとっても欠くことの出来ない物なんだ。機械を動かすにも船や汽車を走らすにも必要だから、良質な石炭を確保するルートを持つことは事業にとっての生命線のひとつでもある」
「そう……」
その令嬢を利用してまで知り合いたいと願ったのはどうしてだろうと疑問に思ったのだ。
「質の高い石炭が出る鉱山を持っている人だよ。機を見るのが上手くて事業も拡大させてるけど、疑り深くて新しく取引を始める事を嫌う面があるんだ。彼と商売出来たなら心強いけど、それまでが大変なのさ」
「そう……」
これではレディング伯爵本人というより事業主としてのレディング伯爵の評価だ。つまりヴェネディクトにとって、レディング伯は取引相手でしかないということだろうか。
グレースが戸惑うのにも気付かずヴェネディクトは説明を続ける。
「石炭はどんな事業にとっても欠くことの出来ない物なんだ。機械を動かすにも船や汽車を走らすにも必要だから、良質な石炭を確保するルートを持つことは事業にとっての生命線のひとつでもある」
「そう……」