シャボン玉の君に触れる日まで

自殺未遂をして以来、初めて外に出た。

今度はパジャマ姿でなく制服で。

十二月にもなると、やはり風が痛いほどに顔に刺さる。ブレザーの上にコートでも着て来ればよかったと少し後悔した。

母は仕事があるにも関わらず、どうしても心配になったようで、車でエリの学校に送ってくれた。

校舎は新築のように綺麗で広い。

ひとまず受付を済まし、体育館での説明会へ向かった。

説明会後、エリが校舎を案内してくれるそう。

体育館は風は吹いていないものの、空気が凍っていて外と同じく寒かった。

大きなストーブが四隅に設置されているが、ほとんど機能を果たしていない。

そんな中、説明会が始まった。
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