シャボン玉の君に触れる日まで
髪飾り

眩しい光が顔に降り掛かって目が覚めた。

朝がきた。その事に安堵した。

また俺は目覚めることができたのだと、自殺未遂から一変してそう思った。

生きたいわけじゃない。

でも、気がついたら死んでいた、なんてことが怖い。俺は結局、弱い人間だった。

昨日彼女と別れてから、どうしようもなくなった俺は、そのまま玄関から入った。

看護師さんたちは最初、優しく事情を聞いてくれたが『散歩に行ってた。湖に近づいたら転んで濡れた』と話すと、鬼の形相で怒られた。

俺の担当女医が来てなんとか止めてもらい、その後シャワーを浴びて眠ったんだ。

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