桜の下で会いましょう
「おお!依楼……咲哉!」
それに振り向いた若者は、まだ幼い面影を残しつつも、綺麗な顔立ちをしていた。
「父上様、聞きました。我が弟だと名乗る者が現れたとか。」
依楼葉は、公達の出立で若者の斜め向かいに、座った。
若者は、挨拶するでもなく、じっと依楼葉を見つめている。
「そなた、名前は?」
「……藤原隼也と、申します。」
か細くて、蚊の鳴くような声。
かなり緊張している様子だ。
「左大臣・藤原照明の息子と名乗るからには、それ相応なりの証拠があるのだろうな。」
依楼葉は、隼也と名乗る若者に迫った。
年上の依楼葉に迫られた事で、緊張していた隼矢は、もっと緊張しているようだ。
「は、はい。こ、こ、これを!」
隼矢が懐から出したのは、1本の笛だった。
「あっ、それは!」
父・藤原照明は、その笛を手に取ると、大層懐かしそうに眺めた。
「……昔、玉の緒にあげた雲雀笛だ。」
それに振り向いた若者は、まだ幼い面影を残しつつも、綺麗な顔立ちをしていた。
「父上様、聞きました。我が弟だと名乗る者が現れたとか。」
依楼葉は、公達の出立で若者の斜め向かいに、座った。
若者は、挨拶するでもなく、じっと依楼葉を見つめている。
「そなた、名前は?」
「……藤原隼也と、申します。」
か細くて、蚊の鳴くような声。
かなり緊張している様子だ。
「左大臣・藤原照明の息子と名乗るからには、それ相応なりの証拠があるのだろうな。」
依楼葉は、隼也と名乗る若者に迫った。
年上の依楼葉に迫られた事で、緊張していた隼矢は、もっと緊張しているようだ。
「は、はい。こ、こ、これを!」
隼矢が懐から出したのは、1本の笛だった。
「あっ、それは!」
父・藤原照明は、その笛を手に取ると、大層懐かしそうに眺めた。
「……昔、玉の緒にあげた雲雀笛だ。」