桜の下で会いましょう
第14章 尚侍の危機
藤壺の女御、橘の君に気を付けながら、依楼葉は尚侍としてのお勤めに日々励んでいた。
その中でも、心の支えになっていたのが、時々目を合わせて微笑んでくれる帝の存在だった。
そんな事を繰り返していくうちに、近くにいる藤の君にも、二人の間が、伝わってしまった。
「ふふふ。」
「どうしました?藤の君。」
藤の君は、依楼葉の側に寄った。
「和歌の尚侍は、帝をどう思われているのですか?」
「どうって……」
依楼葉は、花見の祝宴で会った帝を思い出した。
「……とても落ち着きがあって、艶やかで。それでいて、頼りがいのあるお方だと思います。」
「まあまあ!」
藤の君は、楽しそうに手を合わせた。
「和歌の尚侍が、そのように思われているのであれば、入内もそう遠くはないですね。」
依楼葉は、呆れたようにため息をついた。
「そのような事は、ないと思いますよ。」
「あら、どうしてですの?」
その中でも、心の支えになっていたのが、時々目を合わせて微笑んでくれる帝の存在だった。
そんな事を繰り返していくうちに、近くにいる藤の君にも、二人の間が、伝わってしまった。
「ふふふ。」
「どうしました?藤の君。」
藤の君は、依楼葉の側に寄った。
「和歌の尚侍は、帝をどう思われているのですか?」
「どうって……」
依楼葉は、花見の祝宴で会った帝を思い出した。
「……とても落ち着きがあって、艶やかで。それでいて、頼りがいのあるお方だと思います。」
「まあまあ!」
藤の君は、楽しそうに手を合わせた。
「和歌の尚侍が、そのように思われているのであれば、入内もそう遠くはないですね。」
依楼葉は、呆れたようにため息をついた。
「そのような事は、ないと思いますよ。」
「あら、どうしてですの?」