桜の下で会いましょう
第18章 夏の君の求愛
さて、左大臣家の呪いの護符の話は、一気に宮中へと広まってしまった。
「聞きましたか?」
「ええ。左大臣家の天井の裏から、呪いの護符が出てきたとか。」
だが、話はそれだけでは終わらなかった。
「何でも和歌の尚侍が、一役買ったとか。」
「なんと!尚侍直々に?」
依楼葉は、帝の進言で見つける事ができたのだが、なぜかその部分は省かれていたのだ。
「大活躍だ、尚侍。」
「恐れ多い事でございます。」
一方的にそんな話になってしまった依楼葉は、困りに困ってしまった。
「なぜ、帝に進言頂いたところは、伝わらなかったのでしょうか。」
「よいのだ。」
帝である桜の君は、柔らかい春のような日差しの笑顔を、依楼葉に向けた。
「私は、そなたの名が広まる事の方が、嬉しいのだ。」
「主上……」
ただの女人の自分の名が広がったところで、何も得する事はないと言うのに。
「聞きましたか?」
「ええ。左大臣家の天井の裏から、呪いの護符が出てきたとか。」
だが、話はそれだけでは終わらなかった。
「何でも和歌の尚侍が、一役買ったとか。」
「なんと!尚侍直々に?」
依楼葉は、帝の進言で見つける事ができたのだが、なぜかその部分は省かれていたのだ。
「大活躍だ、尚侍。」
「恐れ多い事でございます。」
一方的にそんな話になってしまった依楼葉は、困りに困ってしまった。
「なぜ、帝に進言頂いたところは、伝わらなかったのでしょうか。」
「よいのだ。」
帝である桜の君は、柔らかい春のような日差しの笑顔を、依楼葉に向けた。
「私は、そなたの名が広まる事の方が、嬉しいのだ。」
「主上……」
ただの女人の自分の名が広がったところで、何も得する事はないと言うのに。