雨色のてるてるぼーず
走ってきたのか肩を上下させて僕の方に向かってくる。






風が吹いてスカートと髪の毛がなびく。






それを押さえて一歩一歩ちかづいてくるのがとてもゆっくりに感じる






本当に可愛いな。






上品さはあるけれど少しまだあどけなさが残っているところがまたいい。






自分も水葉に近づいて、考えていた言葉を言う。






「突然来てごめん。今日どうしても伝えたいことがあって会いに来た。」






「そんなに緊急なことならメールとかで言ってくれればよかったのにー」





そう言って水葉は笑う。






僕はそんな彼女をやっぱり鈍感だと思う。







普通の女ならここまで言ったらだいたい想像つくはずだと思うのだが。






だけどそれまで可愛いと思ってしまう僕は重症だろうか。






「いや、どうしても直接伝えたかったんだ。水葉の答えとかちゃんと聞きたいから。」






このタイミングでとても緊張してきた。






手汗が出てくる。






手を握りしめて大きく息を吸う。そして、













「栗田水葉さん。初めてあった時からあなたのことが好きです。僕と付き合ってください。」
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