雨色のてるてるぼーず

好きな人と付き合うって幸せなことなんだなぁ






陽の低すぎない心地よい声を聞きながらそう思った






「水葉あのさ、それでなんだけど。夏休みどこ行きたい？」





ちょっと違うことを考えている間に夏休みの話になっていたようだ。





「んーっと…えっとちょっとその話は一旦保留でいい？」





「えっ。ま、まぁいいけど…どうしてだ？」






陽を不安にさせてしまったみたいだ。ちゃんと理由を言わないと変な風に誤解されてしまうかもしれない。





「いや、何かあるっていうか…塾の夏期講習を親に詰め込まれちゃって部活もあってちゃんと空いてる日がないの。」






私はまだ受験生でもないのに親が勉強に関して厳しいせいで塾にたくさん通わされているのだ。






「そ、そっか…じゃあ少しでもいいから空いてる日ない？」






「うん！半日空いてる日とかなら結構あるからそれなら！」





「よかった。じゃあまた詳しく予定今度聞かせて」





陽はそう言って少し話してから電話を切った。