運命だけを信じてる
ええい、言ってみよう。
あまり良くない反応をするのであれば小牧さんの行きたいところに行けばいいしね。
「遊園地!」
『え?』
「子供っぽいですよね…」
『行きたい遊園地はありますか?』
「どこでもいいですけど、無理に…」
『無理してないです。というか、あなたと一緒に居られれば正直、どこでもいいので』
「小牧さん…」
ああ、また。自然と想像できてしまう。
きっと今、小牧さんは優しく笑ってくれている。
『場所などは僕が調べて、後でメールしますね。希望があったら早めにお願いします』
「はい!ありがとうございます」
ホンモノの恋人同士のようで照れ臭い。
今までデートは私が積極的に誘い、デートプランも全て考えた。だって相手は私との外出にすら前向きでなかったし、そもそも私と出掛けて楽しいと感じていたかさえ疑問だ。
そんな私たちは本当に恋人だったのかな。
当時は彼を繋ぎ止めることに必死で、深く考えないようにしていた。直視しないようにして逃げていただけだ。