運命だけを信じてる
久しぶりのお化け屋敷は思っていたより怖くて、終始小牧さんの腕に張り付いていた。小牧さんは怖いものは平気らしく、堂々と前に進んでくれた。
それから食事前に絶叫系アトラクションを3つ制覇して大満足だ。
「少し遅くなりましたがお昼にしましょう」
「はい、お腹空きました」
小牧さん、ごめんなさい。お弁当はこの次の機会に…!
遊園地内のオープンカフェでパンケーキを食べる。ホイップクリームとチョコソースのたっぷりかかったホットケーキを器用に食べる小牧さんは甘いものが得意のようだ。
会社での珈琲にもミルクと砂糖を入れているしね。お菓子作りも練習しようかな。
「これ、良かったら」
2人のお皿が空いたタイミングで小牧さんは小さめの紙袋をテーブルの上に置いた。その紙袋を見ただけで女子力の低い私にも推測できてしまう。
それはアクセサリーで有名なお店のものだと。
「小牧さん、私の好きな人について話を聞いてもらえますか。聞いた上で、私にこれをプレゼントしてくれるかもう一度決めてください」
「珈琲のお代わり、頼みましょう」
小牧さんは頷いてくれた。