運命だけを信じてる

ひどい顔をしているだろうけれど、じっと私が泣き止むことを待っていてくれた星崎課長と向き合う。


「とても嬉しいです。私、頑張ります」


辞めるな、でも。
頑張って、という無責任な言葉を向けられるのでもなく、自ら頑張ると言ってくれた星崎課長の力強いエールに励まされる。


与えられたものは、"希望"だ。


この人のためなら、どんな苦しいことでもやり遂げられる。そんなことまで思ってしまった。



「よし、もう大丈夫だな」


「はい」


あなたのおかげで、私は大丈夫になれた。
オフィスに戻って東課長に謝ろう。理不尽なことでも、精一杯頑張ろう。


この日から、私にとって星崎課長は特別な人となった。

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