運命だけを信じてる

そして新商品提案プレゼンの日になった。

東課長に文句を散々言われて大部分を修正された。直せば直す程に質が落ちている気がしたが、言われたままに仕上げた。



その日のプレゼンは事前にクジ引きにより、5チームある営業課のトリを星崎課長率いる3課が、私たち1課はその前になった。


社長、副社長など幹部も参加する大掛かりなものだ。社員全員が会議室には入れないため、社内のネットワークを使い、各自のパソコンから見れるように中継されていた。


私も自席で、発表を見ていた。

2課、4課、そして5課の発表を聞いた段階では、5課の新商品にインパクトがあった。新商品専用のカフェを作るという具体的な内容と、現実味のある提案には説得力もあったかな。


「村井さん!次、東課長の番です」


神田くんが隣りの課の女性と大声でお喋りをしている村井さんを呼ぶ。

見る必要なんてない。
見なくても、結果は分かってるんだから。



溜息をつきながら、パソコンの画面に向き直る。

確かに5課は高評価を受けるだろうけれど、星崎課長が中心になって考えたという3課の提案の方がユニークかつ大胆で、商品化に向いているだろう。

どうか3課が優勝しますように。

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