運命だけを信じてる
ーーもう、我慢できない。
デスクを両手で叩き、椅子を蹴って立ち上がった。
驚いた顔の神田くんと目が合い、思いっきり睨んでやる。言いたいことはたくさんあるけれど、今やるべきことは他にある。
背後で悔しそうに嘆く3課の声を聞きながら、私はオフィスを飛び出した。
エレベーターのボタンを何度も押して、飛び乗り、廊下を走りーー
全力で会議室に向かった。
こんなことが許されていいはずがない。
多くの理不尽に耐えてきたけれど、これだけは譲れない。
覚悟を決めて、息を整える間も無く、
会議室の扉を開けた。
まだ怒号が飛び交い、言い訳をせず謝り続ける星崎課長の側に駆け寄る。
突然現れた私に会議室中の視線が向けられたけれど、怯むことはなかった。