運命だけを信じてる

えーー

思わず、頰を触る。
ジンジンとするその場所を左手でさすってみる。


「すみません。出すぎた発言です。申し訳ありません」


そして呆然とする私の横で、再び星崎課長は頭を下げた。



「前山には私からきちんと言い聞かせます。この度は申し訳ありませんでした」


なんで。
どうして星崎課長が謝らないとならないの?
私、間違ってる?



「行くぞ」


星崎課長に腕を引かれ、無理矢理に歩かされた。


状況はよく分からない。

たくさんの視線が私に突き刺さるけれど、なにより頰が痛かった。


星崎課長に叩かれた頰が、痛かった。


< 146 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop