運命だけを信じてる

仕事や未来プロジェクトの話をして、あっという間にワインを空けてしまった。

星崎課長はお酒に強く、飲み慣れている。元営業マンで接待が多く、自然に強くなったと以前話してくれた。


「そろそろ行くか」


「そうですね」


腕時計を確認すると10時を過ぎたところだった。


「一応言っとくが、今日は俺に奢らせてくれ。小牧のことを黙っていたお詫びに」


バッグから革財布を取り出した星崎課長の好意に素直に甘えよう。断ったところで結局は奢らせてしまうから。


「ご馳走様です。ありがとうございます」


「ああ、行こう」


逢瀬先輩、せっかく作ってくれたチャンスでしたけどもう私はお腹いっぱいです。

もう十分なんです。


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