運命だけを信じてる
カフェラテを一口飲み、はっきりと頷いた。
「私で良ければ宜しくお願いします」
「本当に?」
小牧さんの声色が明るくなる。
目を細めて笑ってくれた。
「ありがとう」
「こ、こちらこそ、ありがとうございます」
あなたのような素敵な人が私を選んでくれて。
今はただ物珍しさに私を好きだと錯覚しているのだろうけれど、それでいい。
あなたはいつか夢から覚めて、私を手放す時が来るだろうけれど。
私は大丈夫。
また星崎課長を慕う女に戻るだけだから。
「今日から恋人同士ってことで」
「はい」
握手をする。
その温かい手に心が落ち着いた。
恋が始まる瞬間は、いつだって幸せだ。