運命だけを信じてる
お昼休み、久しぶりに余裕のある日だったので外に出た。
余裕がある理由は、小牧さんが一緒に残業して助けてくれているからだ。私よりも要領よくこなして、本当にすぐに追い抜かされてしまう危機感だって覚える程だ。
「ラーメン、行こ」
「ラーメン?お昼からは重いです」
一足先にお昼に出た小牧さんと入れ違いに事務所に戻ってきた逢瀬先輩に誘われた。
「俺はラーメンの気分なの。行くぞ」
「えー」
「金欠だから奢らねぇからな」
「えー」
文句を言いながらも、私は逢瀬先輩には逆らえない。金曜日の幹事を手伝ってくれたこともあり、仕方なくオープンしたばかりのラーメン店に入った。
昼からラーメン、絶対に太るよ。
お店の一押しである醤油ラーメンは想像以上にあっさりしていて、箸が進んだ。