運命だけを信じてる
あっという間に食べ終えると、逢瀬先輩は頬杖をついて私を見た。
鋭い瞳と目が合う。
つり気味の目と真っ直ぐな瞳を直視できない新入社員は多いと聞く。
「土曜さ、見たよ」
「何をです?テレビ?」
「おまえと、小牧」
驚いて逢瀬先輩を見つめる。
その強い瞳は逃れることを許さない。
どの場面を見られたのだろう。
カフェでの2人を見られたのなら…手も繋いでいたし、誤魔化しきれないよ。
「付き合ってんの」
直球に聞いてきた彼は、明らかに私を非難する言い方をした。
新入社員と付き合うなんて、OJTという立場からどうかと思う。
「……」
「……」
口を閉ざした私の横で、逢瀬先輩は盛大なため息をついた。