運命だけを信じてる

そして声を落として言った。


「星崎課長はどうした」


私が一番困る問いを。




「彼に対する想いは変わりません…」



急に胃が痛くなってきた。食べ終わってから聞いてくれた先輩の配慮に感謝しよう。


「恋愛は自由だ。例え他の男を愛していたとしも、別の誰かと付き合うことも自由。ただ、」


頬杖を解いて、彼は、目尻を下げて困ったように言った。



「小牧 真矢は止めておけ」



静かな声が私だけに届いた。


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