好きです。
夏の始まり

里穂side

里穂side



ピピピピッピピピピッ  ポチッ



『はぁ、もう朝か…。』

やっぱり夏は暑すぎる〜!!!

『それにしても…』

今日も太陽は綺麗に輝いてるなぁ〜…


うんっ!素晴らしい!


『さ、ちょっと散歩してから仕事行くか〜』





『おぉ〜、あじさい咲いてるじゃ〜ん。
綺麗だなぁ〜…』


「あの〜、すいません…。」

『え、は…い…?』

何このイケメン…

尊い…

「…あの?大丈夫ですか?」

『え、あ、はい!大丈夫ですよ〜!
どうしたんですか?』


ここから私の恋が始まった。






『はっ!
何かあったんですか!?』

あっぶなーい、この人に何か聞かれてるんだった!

「フフッ」

『んえ…?
どうしたんですか…?』

「いえ、面白いなって。フフッ」

上品な笑い方のイケメンさんだなぁ…。

ってそんなことより!

『何かあったんですか?』

「あぁ、すいません。
滝宮プロダクション-タツノミヤプロダクション-を
探してるんですけど。」

んん?この人…

俳優志望かな?

私と同じとこだし…

って言っても、私はマネジャーだけどね。

『私、そこの社員なんです!
良ければ一緒に行きませんか?』

「いいんですか!
ありがとうございます!」






そこから仕事場まで、彼は色々教えてくれた。

友達から俳優を勧められ、応募したこと。

応募した結果受かって、上京してきたこと。

今日から仕事で緊張してること。

いや~、うんうん。

緊張するよね~。

『私も最初緊張したな~。』

「え?」

『私の場合は面接でさ。
雑用でも何でもいいからやらせてくれ!
って頼んだら、1発OKだったな~。』

「えぇ⁉
頼み方がすごいですね…。」

『こうでもしなきゃ駄目かなってね。
でも結局はマネジャーにしてくれたんだけど。』

「そうなんですね!
俺も頑張ろうかな~。」

『君ならできるさっ!
………。』

「ん?
どうかしましたか?」

『んー、名前って聞いてもいいのかな?』

透「あぁ!すいません!
俺の名前は瀧野 透-タキノ トオル-です!
ちなみに年齢22です!」

『おぉ、同い年だ!
私は橘 里穂-タチバナ リホ-だよ!
同じく年齢22歳!』

透「じゃあタメだ!
よろしくな!里穂!」

『早速名前呼びか~!
うん!よろしくね、透!』

イケメンと友達になれるとはね…。

私、運良すぎじゃない?(^o^)

『あ、着いたよ!』

透「ここが滝宮プロダクションか…。」

『中々デカイでしょ!
なにせ都会だからね~。』

透「うっわ、緊張してきたなー!」

『大丈夫大丈夫!
〔俺イケメンだからここで逃すと損しますよ〕
って言っときゃ大丈夫だから!』

透「俺そんなにナルシストじゃねぇよ!」

『おぉ、ごめんちゃい!』

「ちょっとー!橘さーん!
社長呼んでるから早く入れー!」

『わわ!部長!
今行きます!
じゃあ頑張ってね透!』

タッタッタッタッ

やっべやっべ、怒られるぅ!

この時彼が後ろで

透「フッ、可愛いやつ…」

と言っていたことは、

もちろん知らない。






ガチャッ

バタンッ

『部長!すいません!』

この人は通称、鬼の天下取りの

宮野 茜里-ミヤノ アカリ-さん。

めちゃくちゃ怖いけど、

悩み相談はじゃんじゃん乗ってくれる

すっごくいい上司!

茜里「遅い!社長が呼んでるってのに…。
まぁいいわ。
さっさと行きなさい!」

『わぁ!わ、分かりましたー!』

ガチャッ

バタンッ

タッタッタッタッ

ここだ…!

『フゥ…。』

コンコン

『失礼します。』

社長「おぉ、来たか…。」

この方は滝宮プロダクションの社長、

高嶺 芳樹-タカミネ ヨシキ-さん。

50代には見えないくらい若くて、

見た目では20代並の若さ。

すっごくイケメンで、

すっごく優しいんだ!

『社長、どうかなさいましたか?』

高嶺「うむ…。
橘さん。君に頼みがあるんだ。」

『……?
何でしょうか?』

高嶺「今日からき新しく来た、
ある人物のマネジャーになってもらいたい。」

『……?ある人物とは?』

コンコン

高嶺「入りなさい。」

「失礼します。」

ガチャッ

『えぇ?』

「え…?」

『社長、もしかして…?』

高嶺「うむ。
橘さん、君は今日から、
瀧野君の専属マネジャーだ。」

『え。』

透「え。」

『「えぇぇぇぇぇぇぇぇ‼‼‼」』

高嶺「少しうるさいぞ。」

『わぁ!すいません!』

透「すいません!」

『でも、何で急に…?』

高嶺「急にも何も、前から考えてたのだよ。」

『と、言いますと?』

高嶺「君はとても良く働く。
しかし、掛け持ちしている君はとても苦労をしているだろう、と考えて、
君には専属マネジャーになってもらうことにしたのだよ。」

『そ、そうだったんですか…。』

高嶺「これに対しての異議はあるかね?」

『な、無いです!』

高嶺「よし、じゃあ早速だが、
仕事がある。」

『な、何ですか?』

高嶺「早速彼に、モデルの依頼がきている。
演技の仕事ではないが、まずはここからだろう。
どうだね?瀧野君。
引き受けてくれるかい?」

透「も、もちろんです!
やらせてください!」

高嶺「ハハッ、いい心意気だ!
早速向かうといい。」

『分かりました!
透、行こうか。』

透「おう。」

『失礼致しました。』

ガチャッ

バタンッ

『まさか専属になるとはね。』

透「俺的には嬉しいけどな!」

『まぁ私も嬉しいけどね!
さ、車手配しなきゃね。』

透「おぉ、早速か!」

プルルップルルッ

『もしもし、車1台お願いします。
滝宮プロダクションの前で。』

ピッ

透「うわぁ、かっけぇ!」

『何が!
早く降りるよ!』

透「りょーうかいです!」




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