悪夢はカモミールティと一緒に
　たまたま運が悪く、私は気の強い友達と出会ってしまい、出来上がったグループの中の弄られ役にされてしまった。

　元々そんなに積極的でもない私は強く自分の意見を言う事ができずに受け入れてしまう。

　とても流されやすかった。

　それでも高校生になったとたん、今までの自分を変えたくて少し調子に乗って、それでもいいと無理をしてしまった。

　人の顔色を見ながらおべっか使いに合わせてしまう。

　自分でも情けないとわかっていたけど、相手してくれるだけでもいいと思って、自分を押さえ込んで道化になってしまった。

　それが正しいと思い込んで麻痺していた。

　でも私の居ないところで、私の態度が鬱陶しいとか言っているのを偶然聞いてしまったもんだからショックを受けて全てが崩れていった。

　実際私はみんなから嫌われていたのだ。

　よく考えれば気分にむらがある子から八つ当たりされて邪険にされることも多かった。

　それがグループのリーダだったから、私になら何をしてもいいという暗黙の了解がみんなに伝播してしまった。

　グループの中で最下位。

　何をしてもはむかわない。

　だからそれが弄られるということだった。

　みんなの本心を知ってから私はギクシャクとして、グループの中でも浮いてしまう。

　それでも当たり前に弄られ続け、そのうち辛くなった私はそこから離れようと彼女たちを避けてしまう。

　それが彼女たちの狙いだったのかもしれない。

　自分から抜ける。

　合法的に追い出されたような形だ。

　これも虐めのうちなのかなとぼんやりと考えたけど、人付き合いの合う、合わないはどうしようもないのかもしれない。

　この時はまだ逃げられただけましだと思うことにした。

　私にだってプライドってものが少しはあった。

　その後溢れてしまった私は、クラスの底辺と位置づけられるような地味な女子生徒と話をするようになった。

　底辺――。

　公にそういわれているわけではない。

　でもクラスの中ではそう見えてしまう。

　勝手に階級をつけて、自分はそこよりはまだ上だと思っていたような位置だ。

　その時自分はその底辺にいた。

　なけなしのつまらないちっぽけなプライドがこのとき大いに反応して許せなかった。

　一人になりたくないから一緒に居るだけだ。

　仕方がないんだ。

　そう自分に言い聞かせる。

　だから実際は彼女たちのことを友達なんて思っておらず、寧ろ心の奥で私も彼女たちを見下していた。

　私はあなたたちとは本当は違うんだから。

　誰が見ても私なんかここにいるようなタイプじゃないでしょ。

　心で思って口には出さなくても、それがやっぱり透けて見えたのだろう。

　そのうちその子たちからも嫌われ、私は気がつけば一人ぼっちになっていた。

　私ってどこに所属してもだめなんだ。

　底辺以下の存在。ちっぽけなプライドも傷つき、落ち込みが激しくなった。
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