神志名社長と同居生活はじめました
社長といると…
「ん……」

カーテンの隙間から溢れる朝日が眩しい。もう朝か……。


昨日は色々あったなぁ……と、布団にくるまりながら思い返す。


間瀬さんのSNSから、尚の浮気を知って……フラれて……。


そして夜、家で一人で泣いていたら、突然神志名社長が訪れてきて、薔薇の花束をくれて……


そして……



『結婚しよう』




って……。理由はとんでもなかったからお断りしたけど……。



……でも、その社長の一件が衝撃的すぎたお陰で、尚のことで流していた涙がいつの間にか引っ込んでいた。
社長が来なかったら、多分一晩中泣いていたと思う……。


そう考えると、社長が家に来てくれたことは有り難かったのかな……。



……って私、その社長とこれから同居することになったんだっけ⁉︎
思わずオーケーしてしまったよね⁉︎
これから一体、どうなるの⁉︎



……とりあえず仕事行かなきゃ……と、重い身体をゆっくりと布団から起こした。


すると、妙な違和感に気付く。


あれ? 隣で誰か寝ている……? と。


いやいや、私一人暮らしだし。
尚にはフラれたから、同じ布団で寝るような相手、いないし。

分かった。フラれて寂しくて、無意識の内にぬいぐるみでも布団に引きずり込んじゃったかなー、なんて考える。

本心では、嫌な予感を感じていたけれど……信じたくなかったので、きっとぬいぐるみだと願いながら、思い切って毛布をめくる。


絶句。

そこで寝ていたのは、嫌な予感通り……神志名社長だった。
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