神志名社長と同居生活はじめました
でも、何もいきなり来なくても、とも思った。せめて連絡をくれれば良かったのに。


「か、帰りましたー……」

自分の家のはずなのに、そろそろと家の中へと入ってしまう。
ただいま、と言わなかったのは、何となく気恥ずかしく感じたからだ。

それなのに。


「おかえり」


部屋から顔を出して、さも当たり前のようにそう言ってくる社長。

このナチュラル感。これじゃあ、本当に恋人同士が同棲をしているみたいじゃないかと思い、改めて恥ずかしくなる。



「遅かったんだね。何かトラブル?」
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