神志名社長と同居生活はじめました
そう尋ねながら、社長がさり気なく私のバッグや上着を預かろうとしてくれる。
「あっ、駄目ですそんな! 社長にそんなことさせる訳には!」
「いいから。いつもされる側だから、たまにはやってみたい」
「はあ……?」
やっぱり、社長は変わった人だ。
でも、優しい人なのも確か。
もっと偉ぶっていい立場のはずなのに、私なんかにこんな風に接してくれるのだから。
ちょっと待ってて、と社長に言われ、よく分からないまま、とりあえずいつも愛用している自分の座布団の上に腰をおろした。
数分の間に、隣のキッチンから何やらとても良い香りがしてくる。
えっ、まさか、と思ってキッチンに振り返るとーー。
「冷蔵庫の中身、あんまり勝手にいじるのもどうかと思って、使っても問題なさそうな材料だけしか使ってないから、大したものじゃないけど」
そう言って、社長は丸テーブルの上に、美味しそうなチャーハンが盛られたお皿をそっと置いた。
香りだけじゃない、見た目も美味しそう!
「社長、お料理出来たんですね……!」
「料理というほどのものでは」
「いえ、充分ですよ! 充分すぎます!
生活を支えてくれる人を無理に作る必要なんて、ないじゃないですか⁉︎」
「そんなことないよ。普段はもっと帰りが遅くて料理なんてなかなか出来ないし。それに」
「それに?」
「家に帰ってきた時に、雅みたいな奥さんが待っていたら嬉しいし」
「あっ、駄目ですそんな! 社長にそんなことさせる訳には!」
「いいから。いつもされる側だから、たまにはやってみたい」
「はあ……?」
やっぱり、社長は変わった人だ。
でも、優しい人なのも確か。
もっと偉ぶっていい立場のはずなのに、私なんかにこんな風に接してくれるのだから。
ちょっと待ってて、と社長に言われ、よく分からないまま、とりあえずいつも愛用している自分の座布団の上に腰をおろした。
数分の間に、隣のキッチンから何やらとても良い香りがしてくる。
えっ、まさか、と思ってキッチンに振り返るとーー。
「冷蔵庫の中身、あんまり勝手にいじるのもどうかと思って、使っても問題なさそうな材料だけしか使ってないから、大したものじゃないけど」
そう言って、社長は丸テーブルの上に、美味しそうなチャーハンが盛られたお皿をそっと置いた。
香りだけじゃない、見た目も美味しそう!
「社長、お料理出来たんですね……!」
「料理というほどのものでは」
「いえ、充分ですよ! 充分すぎます!
生活を支えてくれる人を無理に作る必要なんて、ないじゃないですか⁉︎」
「そんなことないよ。普段はもっと帰りが遅くて料理なんてなかなか出来ないし。それに」
「それに?」
「家に帰ってきた時に、雅みたいな奥さんが待っていたら嬉しいし」