神志名社長と同居生活はじめました
どういうこと? と、私は目をぱちくりさせながら社長を見つめる。すると。


「せっかく一緒に暮らしていくんだから、雪人って名前で呼んでみない?」


ゆ……


雪人⁉︎



「い、いえいえ! 何を恐れ多いことをおっしゃるのですか!」

「いいじゃん。家に帰ってきてまで社長とか呼ばれたくないよ」

「う、うーん⁉︎ そうですかね⁉︎」


とは言えやっぱり、相手は〝社長〟なのだ。
一緒に暮らしていくと言っても、恋人でもなければ、友達でもない。


いつまでももごもごしている私を見て、社長が「分かった」と答えてくれたので、良かった、と安心したのも束の間……


「あだ名でもいいよ。ゆきちゃんとか、ゆっきーとか」

「ゆきちゃん⁉︎ ゆっきー⁉︎」


全然分かっていなかった!



「あだ名なんて、もっと恐れ多いです!」

「まあ、さすがにあだ名は冗談だけど」

「相変わらず冗談の言い方が分かり辛い!」
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