神志名社長と同居生活はじめました
「おはようございます」

「朝食、美味そう」

「一緒に食べましょう」


部屋に運んで、いつもの丸テーブルで一緒に食事をする。
朝のニュースを観て、たわいもない会話をした。


私が支度をしている間に、社長はいつの間にか準備を完璧に済ませ、玄関へ向かう。
私も、慌ててお見送り体制をとる。


「気を付けて行ってきてください」

「ありがと。行ってきまーーあ、じゃなかった」

「え?」

「また後でね」

その言い直しに、思わず「はい、そうですね」と返事しながら笑ってしまった。


玄関の扉が閉まるまで右手を振って、彼を見送った。


……幸せな朝だった。そんな風に感じた。


私は彼女、ではないよね。好きって言われてないし、自分の感情もまだよく分からないし……。
けれど、幸せなことだけは確かで、失恋したばかりのはずなのにこんなに満たされていていいの? とも思ったりして。


その時だった。

上着に入れていた携帯が、メッセージを受信して震えた。
朝から誰だろうと思いながら携帯を取り出すと、ディスプレイに表示されたのは、なんと尚の名前だった。

別れてから初めてのメッセージ受信。当然ながら、メッセージをもらって嬉しいなんていう感情はなく、寧ろなんか嫌だな、と思った。

ただ、重要な内容である可能性もないとは言い切れなかったので、一応そのメッセージを確認する。すると。
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