愛は貫くためにある
すると、玄関の方からドアをどんどんどん、と叩く音が響いた。と同時に、麗奈の手にある携帯が鳴った。
「は、はい…!」
「お嬢様?なぜ開けて下さらないのです?僕は10分ほど前からここで立ち尽くしているのですが?」
「あっ…!ご、ごめんなさい、今開けます!」
麗奈は慌てて階段を降りた。
「きゃっ…!」
慌てて階段を降りた麗奈は、階段を踏み外してしまい、踊り場まで転げ落ちた。異変に気づいた勉は、携帯から声をかけ続けるも、何も出来ずにいた。
「いたた…」
麗奈はゆっくりと起き上がって階段を降り、床に落ちていた携帯に手を伸ばした。
「お嬢様…!?大丈夫ですか!?」
「大丈夫です…今、開け…ます」
麗奈は痛みに耐えながら、玄関のドアを開けた。
「お嬢様…!」
勉は、直ぐに中へと入り手に持っていた花束を床に落とした。麗奈は、勉の胸にしがみついた。
「お嬢様、お怪我は…!?」
勉は、麗奈を抱きしめながら言った。
「いたい…です。転んでしまいました」
「僕が急かしたから…お嬢様をこんな酷い目に…」
「いいえ。それは違います。勉さんは悪くな…んっ」
勉は麗奈の頬に手を添え、唇を塞いだ。
「いいえ、僕のせいです」
勉は麗奈をじっと見つめ、再び唇を重ねた。
「お嬢様。お詫びといってなんですが、今夜は貴女と過ごしたい…」
「あ、あの、それって」
「お詫びとして、お嬢様と添い寝したいと」
「だっ、だめです…」
「なぜです?」
麗奈は勉から身を離したが、勉は少しふらついた麗奈を支えるように、麗奈の両手をしっかりと握った。
そんな気遣いが優しい勉の姿に鼓動を高鳴らせた麗奈は、床に落ちていた花束に視線を向けた。
「あっ…花束」
花束を拾い上げようと、勉の手を離した麗奈は、花束をそっと手に抱えた。
「綺麗…これを、私のために?」
「ええ、貴女のために」
「嬉しいです」
「この花束よりも貴女の方が綺麗です、お嬢様」
勉は麗奈の腕を掴んでゆっくりと腰を下ろした。隣同士に座った二人は見つめ合っていたが、麗奈が先に視線を逸らした。
「お嬢様は、とても綺麗です」
勉は麗奈の左手を握ったまま言った。
「そんなことありません。私よりも、お姉様の方が綺麗です」
「いいえ。確かに亜里紗さんは美しい方です。ですが、僕はお嬢様…麗奈お嬢様をお慕い申しております。お嬢様は、とても優しく心の広いお方です。そして、心も清く美しい。真っ直ぐで素直な貴女に、僕は…翻弄されています」
勉は麗奈の唇を指でなぞった。
「んっ…くすぐったい…」
麗奈が勉の手を右手で掴むと、勉は麗奈の右手を見て眉根を寄せた。
「お嬢様、これは?」
「えっ?あっ…!」
麗奈は慌てて右手を引っ込めるも、勉に阻止された。
「ご説明いただけますか?お嬢様」
麗奈は覚悟を決めて、勉を見つめた。
「は、はい…!」
「お嬢様?なぜ開けて下さらないのです?僕は10分ほど前からここで立ち尽くしているのですが?」
「あっ…!ご、ごめんなさい、今開けます!」
麗奈は慌てて階段を降りた。
「きゃっ…!」
慌てて階段を降りた麗奈は、階段を踏み外してしまい、踊り場まで転げ落ちた。異変に気づいた勉は、携帯から声をかけ続けるも、何も出来ずにいた。
「いたた…」
麗奈はゆっくりと起き上がって階段を降り、床に落ちていた携帯に手を伸ばした。
「お嬢様…!?大丈夫ですか!?」
「大丈夫です…今、開け…ます」
麗奈は痛みに耐えながら、玄関のドアを開けた。
「お嬢様…!」
勉は、直ぐに中へと入り手に持っていた花束を床に落とした。麗奈は、勉の胸にしがみついた。
「お嬢様、お怪我は…!?」
勉は、麗奈を抱きしめながら言った。
「いたい…です。転んでしまいました」
「僕が急かしたから…お嬢様をこんな酷い目に…」
「いいえ。それは違います。勉さんは悪くな…んっ」
勉は麗奈の頬に手を添え、唇を塞いだ。
「いいえ、僕のせいです」
勉は麗奈をじっと見つめ、再び唇を重ねた。
「お嬢様。お詫びといってなんですが、今夜は貴女と過ごしたい…」
「あ、あの、それって」
「お詫びとして、お嬢様と添い寝したいと」
「だっ、だめです…」
「なぜです?」
麗奈は勉から身を離したが、勉は少しふらついた麗奈を支えるように、麗奈の両手をしっかりと握った。
そんな気遣いが優しい勉の姿に鼓動を高鳴らせた麗奈は、床に落ちていた花束に視線を向けた。
「あっ…花束」
花束を拾い上げようと、勉の手を離した麗奈は、花束をそっと手に抱えた。
「綺麗…これを、私のために?」
「ええ、貴女のために」
「嬉しいです」
「この花束よりも貴女の方が綺麗です、お嬢様」
勉は麗奈の腕を掴んでゆっくりと腰を下ろした。隣同士に座った二人は見つめ合っていたが、麗奈が先に視線を逸らした。
「お嬢様は、とても綺麗です」
勉は麗奈の左手を握ったまま言った。
「そんなことありません。私よりも、お姉様の方が綺麗です」
「いいえ。確かに亜里紗さんは美しい方です。ですが、僕はお嬢様…麗奈お嬢様をお慕い申しております。お嬢様は、とても優しく心の広いお方です。そして、心も清く美しい。真っ直ぐで素直な貴女に、僕は…翻弄されています」
勉は麗奈の唇を指でなぞった。
「んっ…くすぐったい…」
麗奈が勉の手を右手で掴むと、勉は麗奈の右手を見て眉根を寄せた。
「お嬢様、これは?」
「えっ?あっ…!」
麗奈は慌てて右手を引っ込めるも、勉に阻止された。
「ご説明いただけますか?お嬢様」
麗奈は覚悟を決めて、勉を見つめた。