愛は貫くためにある
拓真は、麗蘭の文字の上から二重線を引いた。
「……!」
麗蘭は目を丸くして拓真を見た。
二重線で消された文字は、
『蘭子さんとお幸せに』
という言葉と、
『拓真さんが好きなのは、蘭子さんなんです。わたしじゃない』
という言葉。
拓真は、その二重線を引いた箇所に丸をつけて線でつないだ。
そして、言葉を訂正し始めた。
「蘭ちゃんとお幸せに、じゃなくて」
拓真は麗蘭を見て笑った。
「僕と幸せになろう」
そう言って、拓真はいつの間にかポケットから赤ペンを出して赤で訂正していた。
「……!」
麗蘭は、首を横に振った。
「……」
拓真は麗蘭の顔を見て、黙って赤で書き続けた。
「高木 拓真が好きなのは、紛れもなく麗蘭だ。蘭ちゃんじゃない」
拓真は書き終わると、そう言った。
「僕から離れることは許さないからね」
きゅっきゅ、とペンで文字を書く拓真。離れることは許さないと書いた近くには、重要と大きな文字で書かれていた。
「麗蘭、蘭ちゃんにはちゃんと言っといた。僕には麗蘭がいるから無理だって」
拓真は麗蘭の右手を握った。
「僕には、麗蘭しか考えられないって」
『そんなの、うそ』
麗蘭がそう、メモ帳に書いた。
すると、拓真はメモ帳を奪い取り赤ペンで再び訂正し始めた。
うそ、という言葉の上に二重線を引き、その上の余白部分に何かを書いた。
「うそじゃないよ。本当だよ。麗蘭のことは、大好きだ。愛している」
『うそよ、そんなの。信じられない』
「それなら、麗蘭が信じてくれるまで僕は待つから」
『蘭子さんと』
麗蘭がメモ帳に字を書いている隙に、拓真は麗蘭の肩を強く押し、麗蘭とベッドに倒れ込んだ。
「貸して」
麗蘭がぎゅっと持っていたペンとメモ帳を再び取って、拓真は何かを書き始めた。
「愛してるの証拠は、残しておくよ。嫌だなんて言わないでくれ」
拓真は麗蘭に口付けをした。
「信じてくれるまで待つとは言ったが、行動に移さないとは言ってないぞ」
拓真はにやりと笑って麗蘭を抱きしめた。
「大好きだ、麗蘭」
そう言いながら、拓真はメモ帳に大きく書いた。
『麗蘭、愛してる』
黙ったままの麗蘭を、拓真はそっと抱きしめた。
「……!」
麗蘭は目を丸くして拓真を見た。
二重線で消された文字は、
『蘭子さんとお幸せに』
という言葉と、
『拓真さんが好きなのは、蘭子さんなんです。わたしじゃない』
という言葉。
拓真は、その二重線を引いた箇所に丸をつけて線でつないだ。
そして、言葉を訂正し始めた。
「蘭ちゃんとお幸せに、じゃなくて」
拓真は麗蘭を見て笑った。
「僕と幸せになろう」
そう言って、拓真はいつの間にかポケットから赤ペンを出して赤で訂正していた。
「……!」
麗蘭は、首を横に振った。
「……」
拓真は麗蘭の顔を見て、黙って赤で書き続けた。
「高木 拓真が好きなのは、紛れもなく麗蘭だ。蘭ちゃんじゃない」
拓真は書き終わると、そう言った。
「僕から離れることは許さないからね」
きゅっきゅ、とペンで文字を書く拓真。離れることは許さないと書いた近くには、重要と大きな文字で書かれていた。
「麗蘭、蘭ちゃんにはちゃんと言っといた。僕には麗蘭がいるから無理だって」
拓真は麗蘭の右手を握った。
「僕には、麗蘭しか考えられないって」
『そんなの、うそ』
麗蘭がそう、メモ帳に書いた。
すると、拓真はメモ帳を奪い取り赤ペンで再び訂正し始めた。
うそ、という言葉の上に二重線を引き、その上の余白部分に何かを書いた。
「うそじゃないよ。本当だよ。麗蘭のことは、大好きだ。愛している」
『うそよ、そんなの。信じられない』
「それなら、麗蘭が信じてくれるまで僕は待つから」
『蘭子さんと』
麗蘭がメモ帳に字を書いている隙に、拓真は麗蘭の肩を強く押し、麗蘭とベッドに倒れ込んだ。
「貸して」
麗蘭がぎゅっと持っていたペンとメモ帳を再び取って、拓真は何かを書き始めた。
「愛してるの証拠は、残しておくよ。嫌だなんて言わないでくれ」
拓真は麗蘭に口付けをした。
「信じてくれるまで待つとは言ったが、行動に移さないとは言ってないぞ」
拓真はにやりと笑って麗蘭を抱きしめた。
「大好きだ、麗蘭」
そう言いながら、拓真はメモ帳に大きく書いた。
『麗蘭、愛してる』
黙ったままの麗蘭を、拓真はそっと抱きしめた。