愛は貫くためにある
大雨の中、傘を差し続けた拓真は翌日体調を崩し寝込んでいた。
拓真は蘭子の手厚い看病を受け、数日後には元気になっていた。
蘭子は外へ出て、麗蘭の墓へと向かった。
「麗蘭ちゃん、出てきてちょうだい」
すると、強い風とともに麗蘭が現れた。
「たっくんを苦しめるのはやめて。傷つけるのはやめて」
『わたしは、そんなことしてません』
死後の世界へ行ってしまった麗蘭は、話せるようになっていた。
「してるの。わかるでしょう?たっくんが苦しんで悲しんでるのは。もう、たっくんを苦しめないで」
『わたし…』
「あなたは、死んだの。死後の世界にいるの。たっくんのことなんて忘れて。未練があるからそうやって出てくるんでしょう?」
「…違います。わたし、蘭子さんと人生を交換したんです」
「人生を交換?私と?」
「はい。蘭子さんは、期間限定で…そちらの世界にいるということは、神様からお聞きしました。だから…拓真さんには蘭子さんが必要なんです。だから、蘭子さんとわたしの人生を交換させていただきました」
「交換って…正気?」
「はい。わたしは、拓真さんと一緒にいてはいけないんです。だから、拓真さんに近づくことが出来ないように、死後の世界に…冥界にいるんです」
麗蘭は寂しげに笑った。
「麗蘭ちゃん…あのね」
麗蘭は蘭子にくるりと背を向け、風とともに消えていった。
「麗蘭、今日は暑いな…水浴びようか」
拓真は、照りつける太陽の光を浴びながら柄杓で麗蘭の墓に静かに水をかけた。
「気持ちいいか?こっちも涼しいな…」
打ち水効果だな、と拓真は呟いた。
「麗蘭、僕はいつも神頼みしてるんだよ」
拓真は持ってきたひまわりを麗蘭の前に供えた。
「麗蘭が、早く戻ってきますようにって。僕の胸に」
いつになるんだろうな、と拓真は立ち上がって墓石を撫でた。
「僕はいつまでも待つからな。僕は、未練がましい男だから。麗蘭を、諦めない」
拓真は吹き出す汗を腕で拭った。
「暑いな、麗蘭。もっかい、水浴びしようか」
拓真は、柄杓の水を全部麗蘭にかけた。
「麗蘭…いつでも待ってるからな」
拓真はひまわりを見つめて言った。
麗蘭は、帰ってこなかった。
毎日麗蘭に声をかけ続けても、
麗蘭からはなんの返答もなく、
あっという間に一年が過ぎた。
拓真は蘭子の手厚い看病を受け、数日後には元気になっていた。
蘭子は外へ出て、麗蘭の墓へと向かった。
「麗蘭ちゃん、出てきてちょうだい」
すると、強い風とともに麗蘭が現れた。
「たっくんを苦しめるのはやめて。傷つけるのはやめて」
『わたしは、そんなことしてません』
死後の世界へ行ってしまった麗蘭は、話せるようになっていた。
「してるの。わかるでしょう?たっくんが苦しんで悲しんでるのは。もう、たっくんを苦しめないで」
『わたし…』
「あなたは、死んだの。死後の世界にいるの。たっくんのことなんて忘れて。未練があるからそうやって出てくるんでしょう?」
「…違います。わたし、蘭子さんと人生を交換したんです」
「人生を交換?私と?」
「はい。蘭子さんは、期間限定で…そちらの世界にいるということは、神様からお聞きしました。だから…拓真さんには蘭子さんが必要なんです。だから、蘭子さんとわたしの人生を交換させていただきました」
「交換って…正気?」
「はい。わたしは、拓真さんと一緒にいてはいけないんです。だから、拓真さんに近づくことが出来ないように、死後の世界に…冥界にいるんです」
麗蘭は寂しげに笑った。
「麗蘭ちゃん…あのね」
麗蘭は蘭子にくるりと背を向け、風とともに消えていった。
「麗蘭、今日は暑いな…水浴びようか」
拓真は、照りつける太陽の光を浴びながら柄杓で麗蘭の墓に静かに水をかけた。
「気持ちいいか?こっちも涼しいな…」
打ち水効果だな、と拓真は呟いた。
「麗蘭、僕はいつも神頼みしてるんだよ」
拓真は持ってきたひまわりを麗蘭の前に供えた。
「麗蘭が、早く戻ってきますようにって。僕の胸に」
いつになるんだろうな、と拓真は立ち上がって墓石を撫でた。
「僕はいつまでも待つからな。僕は、未練がましい男だから。麗蘭を、諦めない」
拓真は吹き出す汗を腕で拭った。
「暑いな、麗蘭。もっかい、水浴びしようか」
拓真は、柄杓の水を全部麗蘭にかけた。
「麗蘭…いつでも待ってるからな」
拓真はひまわりを見つめて言った。
麗蘭は、帰ってこなかった。
毎日麗蘭に声をかけ続けても、
麗蘭からはなんの返答もなく、
あっという間に一年が過ぎた。