愛は貫くためにある
「大知…確かになかなか麗蘭は起きなかったかもしれない。でもな、大知。少しの間なら大丈夫だ、というその僅かな油断がこういう結果へと繋がったんだぞ」
「はい…若…」
「…今後は、こういうことがないように気をつけろ」
「うう〜、若〜!」
大知はいきなり拓真に抱きついた。
「おい、やめろ大知。抱きつくなよ」
「若は優しいっす〜!」
大知が更にぎゅっと拓真に抱きついた。
「だからやめろって言ってんだろ。離れろ」
抱きつく大知を拓真は引き離そうとするが、大知はなかなか離れない。
「やめろ、男に興味はない。変な性癖があると思われるだろ、離れろ」
拓真は大知を振り払った。
「いや姐御はわかってくれるっす。これは男の友情おお〜!…いてっ」
大知は拓真に頭をこん、と叩かれた。
「友情だと…?大知は友人であり部下だ。いいか、部下だぞ。その点は勘違いするな」
「俺は、若の大切な部下ってことっすよね…?」
「いや、まあ、そうだけど」
大知の顔がぱあっと明るくなり、目はきらきらと輝いている。
「あざっす、あざっす!若」
大知は拓真の手を取り、ぶんぶんと上下に振った。
「…僕は麗蘭に握られたいんだ。大知の手は握りたくない」
「がーん!…酷いっすよ、若。ひどい〜〜」
大知は拓真から手を離し、床にがくりと両膝をついたあと、両手を床につけて項垂れた。
「ひどいっす、ひどいっすよおおお」
「ああ…めんどくせえ…わかったから!悪かったって、ほら」
大知に近寄り、拓真は手を差し出した。大知は頭上から降ってきた声に顔を上げた。
「ああ〜若ぁ〜!」
ほら掴まれ、と差し出された拓真の手に、大知は手を重ねて勢いよく立ち上がった。
「若の手は大きくて逞しいっす。姐御が好きなのもわかる気がします。まじで好きっす」
「気持ち悪い。お前はおネエか」
「いや、完全なる男っす!」
大知が即答した。
拓真がふと、ベットの中の麗蘭に視線を向けると、麗蘭がにこにこしていた。
「ん!?麗蘭!?」
拓真は両膝を床につき、麗蘭へと近づいた。そして麗蘭の頬に触れた。
「いつから起きてた?」
『大知さんと、抱き合ってたところから』
「は!?そ、そんな前から見てたのかよ!?……ったく、まじかよ…」
拓真は大知を睨んだ。
すぐに麗蘭に視線を移すと、麗蘭が語りだした。
『ふふ、仲がよろしいんですね。羨ましい』
「い、いや別にそんなんじゃねえよ。…羨ましいってなんだよ」
拓真はぽりぽりと頭を掻いた。
『大知さんだけじゃなくて、もっとわたしのこともかまって欲しい』
麗蘭がそう語るので、拓真は麗蘭をぎゅっと抱きしめた。
「ああ、麗蘭のこと、離れていた分もたくさん可愛がるから。……大知はもう構わない」
「えええ〜ひどいっす、若」
大知は再び項垂れた。
『拓真さん、大知さんをそんなにいじめないで。優しくしてあげて。大知さん、拓真さんのこととても尊敬しているみたい。だから、大知さんも構ってあげてね』
麗蘭が拓真の目をじっと見るから、拓真は我慢しきれずに大知を振り返った。
「仕方ない。麗蘭が言うなら、大知のことも構ってやる。優しくしてやる」
「わあああー!若、あざっす!それに、姐御は優しいっすよ。姐御が来てから、若はすーんごく優しくなったっす!これからも、俺らに優しくしてくださいっ!」
大知が麗蘭の手を握った。
『うん、よろしくね、大知さん』
麗蘭は笑っていたが、拓真の目は笑っていなかった。
「大知。…麗蘭の手を離せ」
「いててててて!若、まじでいたいっす…」
「麗蘭に勝手に触れるな。僕の許可なく麗蘭に触るんじゃない」
拓真は麗蘭の手を握っていた大知の手首を捻った。
『拓真さん、怒らないであげて。お願い、優しくしてあげて』
「いや、でも…」
お願い、と麗蘭が拓真に懇願した。
「ああ……んだよ、ったく。そんなに大知が好きなのかよ」
『違う。わたし拓真さんがすき』
拓真の目が丸くなった。
「麗蘭……」
拓真は、麗蘭を抱きしめた。
「姐御、朝ごはんにしましょう。食べれます?」
麗蘭はこくりと頷いた。
「はい…若…」
「…今後は、こういうことがないように気をつけろ」
「うう〜、若〜!」
大知はいきなり拓真に抱きついた。
「おい、やめろ大知。抱きつくなよ」
「若は優しいっす〜!」
大知が更にぎゅっと拓真に抱きついた。
「だからやめろって言ってんだろ。離れろ」
抱きつく大知を拓真は引き離そうとするが、大知はなかなか離れない。
「やめろ、男に興味はない。変な性癖があると思われるだろ、離れろ」
拓真は大知を振り払った。
「いや姐御はわかってくれるっす。これは男の友情おお〜!…いてっ」
大知は拓真に頭をこん、と叩かれた。
「友情だと…?大知は友人であり部下だ。いいか、部下だぞ。その点は勘違いするな」
「俺は、若の大切な部下ってことっすよね…?」
「いや、まあ、そうだけど」
大知の顔がぱあっと明るくなり、目はきらきらと輝いている。
「あざっす、あざっす!若」
大知は拓真の手を取り、ぶんぶんと上下に振った。
「…僕は麗蘭に握られたいんだ。大知の手は握りたくない」
「がーん!…酷いっすよ、若。ひどい〜〜」
大知は拓真から手を離し、床にがくりと両膝をついたあと、両手を床につけて項垂れた。
「ひどいっす、ひどいっすよおおお」
「ああ…めんどくせえ…わかったから!悪かったって、ほら」
大知に近寄り、拓真は手を差し出した。大知は頭上から降ってきた声に顔を上げた。
「ああ〜若ぁ〜!」
ほら掴まれ、と差し出された拓真の手に、大知は手を重ねて勢いよく立ち上がった。
「若の手は大きくて逞しいっす。姐御が好きなのもわかる気がします。まじで好きっす」
「気持ち悪い。お前はおネエか」
「いや、完全なる男っす!」
大知が即答した。
拓真がふと、ベットの中の麗蘭に視線を向けると、麗蘭がにこにこしていた。
「ん!?麗蘭!?」
拓真は両膝を床につき、麗蘭へと近づいた。そして麗蘭の頬に触れた。
「いつから起きてた?」
『大知さんと、抱き合ってたところから』
「は!?そ、そんな前から見てたのかよ!?……ったく、まじかよ…」
拓真は大知を睨んだ。
すぐに麗蘭に視線を移すと、麗蘭が語りだした。
『ふふ、仲がよろしいんですね。羨ましい』
「い、いや別にそんなんじゃねえよ。…羨ましいってなんだよ」
拓真はぽりぽりと頭を掻いた。
『大知さんだけじゃなくて、もっとわたしのこともかまって欲しい』
麗蘭がそう語るので、拓真は麗蘭をぎゅっと抱きしめた。
「ああ、麗蘭のこと、離れていた分もたくさん可愛がるから。……大知はもう構わない」
「えええ〜ひどいっす、若」
大知は再び項垂れた。
『拓真さん、大知さんをそんなにいじめないで。優しくしてあげて。大知さん、拓真さんのこととても尊敬しているみたい。だから、大知さんも構ってあげてね』
麗蘭が拓真の目をじっと見るから、拓真は我慢しきれずに大知を振り返った。
「仕方ない。麗蘭が言うなら、大知のことも構ってやる。優しくしてやる」
「わあああー!若、あざっす!それに、姐御は優しいっすよ。姐御が来てから、若はすーんごく優しくなったっす!これからも、俺らに優しくしてくださいっ!」
大知が麗蘭の手を握った。
『うん、よろしくね、大知さん』
麗蘭は笑っていたが、拓真の目は笑っていなかった。
「大知。…麗蘭の手を離せ」
「いててててて!若、まじでいたいっす…」
「麗蘭に勝手に触れるな。僕の許可なく麗蘭に触るんじゃない」
拓真は麗蘭の手を握っていた大知の手首を捻った。
『拓真さん、怒らないであげて。お願い、優しくしてあげて』
「いや、でも…」
お願い、と麗蘭が拓真に懇願した。
「ああ……んだよ、ったく。そんなに大知が好きなのかよ」
『違う。わたし拓真さんがすき』
拓真の目が丸くなった。
「麗蘭……」
拓真は、麗蘭を抱きしめた。
「姐御、朝ごはんにしましょう。食べれます?」
麗蘭はこくりと頷いた。