Toxic(※閲覧注意)
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結局この土曜日も休日出勤して、13日振りに休めたのは日曜日だった。

さすがに疲労困憊だったのか、目が覚めたのは昼過ぎ。

せっかく久しぶりに休めたのに、もうお昼を回っていて、なんだか損した気分だ。

軽く掃除機をかけて、たまっていた洗濯物を片付けた。

ああ、独り暮らしってほんと楽でいい。

正式に離婚すると決まった3ヶ月前から、私は家を出て独り暮らしを始めた。

8畳1Kの、よくある独り暮らしの部屋だ。

職場も近くなったし、何よりも家事の負担が減ったことが素晴らしい。

結婚していた時は、2人なのに無駄に広くて、掃除機ひとつかけるのも面倒だった。

洗濯物も2倍だから、ちょっとでもためると2回まわす羽目になっていた。

そもそも家事というものが大嫌いな私は、結婚だとか主婦なんてものには全く向いていないのだ。

パンとスクランブルエッグ、コーヒーで、簡単にブランチを済ませた。

一服したあと、またベッドに横になる。

食べてすぐ横になったら、太っちゃうかしら。

でも、休みなしの激務であまりにも疲れていて、今日はさすがにゴロゴロして過ごしたい。

久しぶりにケータイ小説でも読もうかな。

枕元にあったケータイを手に取ると、左上にトークアプリの着信通知に気づいた。

誰からだろう。

そう思った瞬間に、柴宮大和の顔が浮かんだ。

……だから、別に連絡待ってなんかない。
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