Toxic(※閲覧注意)
食事のあとは、特にやることもないから、延々とテレビを観て過ごした。

テレビとは言え、人の声を聞いていれば変な淋しさも紛れるというものだ。

夜の11時を回った頃、昼過ぎまで寝ていたくせに眠たくなってきたので、私はまたベッドに転がった。

やはり、かなり疲労がたまっているらしい。

次の土日は休めないかもしんないし、今日は早めに寝よう。

リモコンで部屋の電気を消して、眠りのお供にまたWeb小説でも読もうかなと、枕元で充電されているスマホを拾い上げた。

すると、左上にまたもや、トークアプリの通知。

いつの間に来たのだろう。

マナーモードにして布団の上に置いていると、通知に全く気づかない。

誰だろ、と考えた瞬間に、私の脳はどうしても、柴宮大和を思い出すらしい。

やっぱり私、連絡欲しいのかな。

…………。

うん、欲しい。

そこは、そろそろ素直に認めとこう。

だって私、あの人にすごく興味あるもの。

そんなことを思いながらアプリを開いてみれば、柴宮どころか人ですらない。

ただのオフィシャルな広告トークだったから、がっかりしてアプリを閉じた。

私のこと掴まえるって言ったのに、全然連絡してくれない。

こんなに放置されると、もはやあの口説き自体が、女性に対する彼の社交辞令だったのかもしれないとさえ思えてくる。

もしくは、数日したら私への興味が失せたか。

それはそれで仕方ない、若い頃はかなりチヤホヤされたけれど、もう38だ。

どんなに若作りしたって、すっかりオバサンだもの。
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