Toxic(※閲覧注意)
あーあ、年を取るって、ほんとつまんない。

よくも悪くも自信家なのが私なのに、こんなこと嘆くなんて。

思わず漏らしたため息のせいで、憂鬱さが増した。

あーもう、やめやめ!

明日からまた激務だし、早く寝よ。

私はケータイのアラームをセットして、枕元にポイッと投げた。

目を閉じたら、自然と柴宮大和の顔が浮かんだ。

私は彼のことが、どうしても気になるらしい。

だってあの顔、好みなんだもん……。

気の強そうな眉、色素の薄い静かな瞳、右目の下の色っぽい泣きぼくろ、すらっと通った鼻筋。

形のよい唇が甘い声で囁く。

『食べちゃいたいな……』

百獣の王は、いつになったら私を補食しに来るのだろう。

あーあ、彼ならもしかしたら、本当に私を落としてくれるかもって、期待したのに。

結局掴まえてくれないなら、あの時いっそ食べられてしまえばよかった。

……彼はどんな風に私を食べるんだろう。

Sっぽいけど、オラオラな肉食系ではなさそう。

やっぱりその気にばかりさせて、焦らしまくられるのかしら。

今みたいに。

そんなことを考えていたらやけにムラムラして、ついつい自分の体を触り始めてしまった。

こんなことするなんて、本当に久しぶり。

淋しいのは心だけじゃなくて、体もってこと?

それとも、カレのせい?

妄想の柴宮は、一番敏感な部分には触れないように、胸の上を指で何度もなぞる。

彼はきっと、キスすらも寸止めして、私を思い切り焦らすに違いない。

そして、私が触れて欲しくてたまらなくなった頃に、やっと舌を絡めながら、てっぺんを弄び始めるのだ。

「……ん……」

そして、もう片方の手で内ももを、茂みのギリギリまでなで回して、きっとまた焦らすのだ。

あの、綺麗なのにいやらしくてたまらない微笑みを浮かべながら。
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