Toxic(※閲覧注意)
自分がそろそろオバサンだって自覚は、充分過ぎるほどある。

慣れない結婚生活のストレスで、2年で7キロも太った上に、いい加減肉が重力に負けてきた気がする。

特にお腹とお尻の辺り。

お肌も潤いがなくなり、毛穴も開いてきて、髪の毛にもコシや艶がなくなってきている。

ついでに、最近ほうれい線も気になってきた。

「いくら響子が童顔でも、さすがにもう20代には見えないからね」

「そんなこと思ってないし、そもそも若けりゃいいってもんでもないじゃん?」

私がしれっと言えば、円香は眉間にしわを寄せた。

「よく言うわよ、若い男しか興味ないくせに」

「うっ……」

そうなのだ。

私は相手が年下じゃないと、どうしても恋愛対象として見れないのだ。

もうこれは、性癖というか、病気みたいなものだ。

2コ下、3コ下は当たり前。

先日離婚した私の元夫は、私より8つ若かった。

私が成人した時にランドセルを背負っていた相手と恋愛だの結婚だの、冷静に考えると奇妙でしかない。

でも仕方ない、そういう病気だもの。

「響子、若い男をつかまえたいなら、尚更限界近いでしょ?余裕こいてんじゃないわよ」

決め台詞かのようにドヤ顔で言った円香は、運ばれてきた2杯目のビールを美味しそうに飲んだ。

そんなの、言われなくてもわかってる。
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