Toxic(※閲覧注意)
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部屋に入ってすぐ、まだ鞄も手にしたままなのに、柴宮大和は私をいきなり抱き締めた。

ラ・フランスのほのかに甘い香りに、うっとりととろけそうになる。

「夏目さん」

いつもより低い声で、彼が私を呼んだ。

彼の顔を見上げれば、そこにいきなり口付けが降ってくる。

柔らかい唇で輪郭を撫でられ、下唇を吸われ、口角を舐めた熱い舌が、ゆっくり口内に侵入した。

「…………んんん……」

ねっとりとした感触がたまらなくて、我を忘れて夢中で舌を絡め合う。

カタンッ

体の力が抜けて、私の手からバックとティファニーの紙袋が床に落ちた。

その音を聞いて、柴宮がふっと軽く笑った。

「……ね、ベッド行く?」

耳元で甘く囁かれて、ゾクゾクと鳥肌が立った。

「……シャワー浴びちゃ、ダメ?」

「ダメ、待てない」

スーツのジャケットを床に脱ぎ捨て、ネクタイを緩めながら、柴宮は言った。

その仕草がセクシー過ぎて、私は思わず、彼のYシャツのボタンに手をかけた。

「ふっ……積極的に脱がすなんて、夏目さんてヤラシーね」

「……ヤラシーことする場所でしょ?嫌ならやめるけど」

「あはは、やめたくないクセに」

柴宮は、艶かしく笑った。

色白で綺麗な肌、くっきりとした鎖骨、細いのにしっかりと筋肉がついた胸元と二の腕……。

その全てが、私を誘惑する。

もう一度、ちゅっと軽く口付けをすると、

「ねえ、早く食べさせて」

ライオンは、相変わらず甘ったるい声で言った。
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