Toxic(※閲覧注意)
柴宮は、少しずつ体位を変えながら、何度も何度も私の体を貫いた。

「……ああっ…………激し過ぎっ……ふあっ…………」

ああ、もうダメ……またイッちゃう。

……そう思ったのに、彼は動きを止めた。

また意地悪するの?

そう思ったけれど、

「ねえ……響子……」

彼は切なそうな苦しそうな顔で私を見下ろして、私の名前を小さく呼んだ。

「………なに?」

「……俺、余裕ないかも」

急にそんな、なんだか全然似合わない、可愛らしい弱音を吐いた。

「響子のこと好き過ぎて、もうイッちゃいそ……」

少しだけ困ったように笑って、私の髪を優しく撫で上げる。

ぽたり、ぽたり、と彼の汗が私の頬に滴った。

「……ふふふ、嘘ばっか」

でも、そんな嘘は嫌いじゃない。

「ふっ、本気で言ってんのに」

「本気って?好きなのが?イキそうなのが?」

「どっちも」

彼は軽く笑ってそう答えると、また激しく打ち付け始めた。

「……ああっ…………あ、あ、あ、あ、あ」

「……響子、可愛い…………」

可愛いなんて言うから、心臓とか下腹部とかいろんな所がきゅうっとなった。

「うわ、キツッ…………絞めんなってっ……」

「…だって…………はあはあ、はあ……あっ!ダメ、やだやだイッちゃうっ……」

「…はあ………はあ……好きだよ…響子……」

彼が私の体をぎゅうっと強く抱き締めて、また薄っぺらい嘘を吐く。

でも、愛しくてたまらない。

互いの汗ばんだ肌がぬるりと滑る。

獣みたいで、いやらしくて、でもなんか切なくて。

気持ちいい気持ちいい気持ちいい。

「……ああ、ダメダメダメダメ……」

「……響子……イッてい?」

「……やまとっ、私もイッ………あっ…ああああああっ!……」

私は彼の肩にしがみついて、だらしなく声を上げて昇天した。
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