砂時計が止まる日
Chapter 3

You don't have to endure anything.



式典から3週間ほど時間が経った。



いつも通り、毎週恒例のバイト終わりの買い物をして帰った。



「ただいま。」



普段通りの玄関、ではなかった。



水曜日は私の方が類より帰りが早い。

それなのに今日はドロドロの野球の時に履いている靴が置いてある。



「お姉ちゃん、類がおかしい。」



私が靴を脱いでいると心菜が玄関までやって来てそう言った。



「え?」



「いつも9時ぐらいに帰ってくるのに今日は7時には帰ってきて、着替えもせずに部屋に篭もりっきりなの。」



心菜の話が本当なら、それはおかしい。

類はいつも帰ってくると何よりも先にシャワーを浴びに行く。



それなのに部屋にこもったままなんて普通じゃありえない。



心菜と一週間分の食料を詰め込んだレジ袋をひとつずつキッチンに運んで冷蔵庫などにしまい始めた。



「ちょっと、類のところ行ってくるよ。」



私は残り少ない食べ物を心菜に託し、2階の類の部屋の方へむかった。

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