砂時計が止まる日
私が高校生になるとバイトをするようになって、忙しくなった。
類も中学生になりいわゆる思春期に突入。
試合を見に行くことはなくなった。
たまには見に行きたいなと思ってノートを閉じた。
類の話を聞くに、チームのメンバーもあんまり変わらないみたい。
ふと顔を上げると、時計の針は7時を過ぎていた。
急いでメイクをして家を出た。
駅に着くと一夏に会い一緒に電車に乗る。
もういつから一緒にいるかわからない、こんな沈黙さえも心地よく感じる。
「あ、文化祭の決算報告ってもうできてる?」
突如思い出したことを一夏に聞く。
「一昨日完成して昨日、事務室に印刷頼んだから今日中に配られるよ。」
「さすが、お疲れ様です。」
私は吊革をぎゅっと握る。
「これでしばらくは仕事はないから落ち着けるね。」
「要請がない限りはすることがないから、週1で回せば大丈夫。
ようやくバイトのシフト、フルで入れるよ、やっと稼げる。」
私がそう言うと、一夏は声を上げて笑った。