砂時計が止まる日


「あれ、新垣の弟くん、何かスポーツやってるんだっけ?」



「そうそう、野球やってるから月謝だけじゃなくて道具代もかかるしこの辺では強いチームだから遠征費もかかるし...



それに受験も考えなきゃまずい時期だからね。

でも野球一筋でやってる子だから辞めさせるのも気が引けるの。」



私は気がかりなことを指折り数えた。



「まあ、そのコネクションがあってここで働かせてもらってるし、弟は弟で活躍してるみたいだから野球は続けてほしい。



まあ、思春期の姉弟だからそんな簡単にいかないのは分かってるんだけどね。

昨日も様子おかしかったし。」



手元に残っていたクッキーを口に放り込んだ。



「ごめんね、私の悩み相談になっちゃった。」



「いいよ、新垣は学校では会長で家では家事やってバイトもあって。



僕の前ぐらい気抜いてよ。

息抜きも大事だって。」



彼はぽんぽんと私の背中を叩く。

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