砂時計が止まる日
私がテーブルの片付けをしているとドアにかけた鈴が鳴る。
「いらっしゃいませ〜」
私がそういう言って顔を上げるとそこには常連の60半ばのおじいさんがいた。
「ゆーちゃん、それ終わったらオーダーお願い。」
「はい、少々お待ちください。」
私は急いでグラスやお皿が乗ったトレーを裏に持って行った。
「お待たせしました。ご注文は?」
私は席の机の下に備え付けられている伝票盤を取り出し、カフェエプロンに挿してあったボールペンをノックする。
「今日はアメリカン。
それからケーキ1つ頼みたいんだけど、どれにしようかな。
ゆーちゃんのオススメは?」
私はそう言われて伝票を書く手を止める。
「私はチーズケーキがオススメです。」
「じゃあそれで。」
私は伝票に“チーズケーキ”と書き加える。
「かしこまりました、少々お待ちください。」
私はそう言って厨房に入る。