砂時計が止まる日
一夏は閉店後もカウンターに座って私のことを待っていた。
私も急いで閉店作業を終わらせて着替える。
2人でカフェを出て電車に乗った。
「一緒に帰るのは久しぶりだね。」
「朝は一緒でも帰りは私がすぐバイト行くからね。」
一夏は私の初めての友達で最高の友達だ。
ずっと、一緒にいたいと思えるのは彼女ぐらいかもしれない。
「え、雨?
天気予報ちゃんと見とくんだった...」
「私、傘持ってない!」
最寄り駅に着くと降っていた雨に少し驚いた。
傘を持っていないという一夏に代わり、私は慌ててカバンの中を確認する。
「あ、あった。」
私は折りたたみ傘を開いて2人で小さな傘の下、一夏の家の方へ歩く。
「じゃあ、おやすみ。」
私は一夏を家まで送っていった。
雨は少しずつ強まっていき、私が家に着く頃には本降りになっていた。