砂時計が止まる日
「アメリカン、チーズケーキ1ずつです。」
「ゆー、コーヒーすぐ煎れるからケーキ用意しておいて。」
私はそう言われてショーケースのケーキを取り出す準備をする。
今日は6時半までの2時間。
特に忙しい時間でもなく、先輩やマスターたちと話しながら働いている。
普段は閉店の9時までいるけれど毎週水曜日はいつもより早く帰ってスーパーで買い出しをしなきゃいけない。
「お先に上がります。」
私はそうマスターに言って裏に入った。
9月。
6時半になると少しずつ闇が迫ってくる。
私は薄暗がりの中、制服でカフェを出た。
最寄り駅に着くと私は駅前のコンビニに寄った。
お目当てのものは1つ。
1冊の雑誌だ。
『Make You』。
今、私たち世代が圧倒的支持するファッション雑誌。
年齢も近いモデル達が活躍している。