砂時計が止まる日
心菜が一足先に出て、部活の朝練のない類は私の向かい側に腰掛けていた。
「あぁ、類。
お弁当作れなかった。
晩ご飯のお金渡すね。」
私はふと思い出し立ち上がる。
バッグの中にあるお財布を取り出してダイニングテーブルに戻る時だった。
足元から1枚の布が引っ張られるような感覚を覚え、私は床に倒れ込んだ。
「姉ちゃん!?おい、姉ちゃん!」
倒れた時に打った腕が痛い。
「うん、大丈夫。」
私はそう言って立ち上がった。
「1000円あれば足りる?
今日は大事をとって学校休むよ。
そろそろ類も時間じゃない?」
私はお財布からお札を1枚取り出して類に持たせた。
類は少し唇を噛みながらそのお金を持ち、バッグを背負った。
「いってらっしゃい。」
私は類を見送ってから学校に連絡し、自分の部屋に戻った。
「あ、一夏にも連絡しなきゃ。」
私はベッドから手を伸ばしてケータイを取る。
私が連絡するとすぐに既読がついて返信がくる。
文面だけでもわかる焦りように私は思わず笑ってしまった。
頑張って一夏を宥めて私は布団をかぶる。