砂時計が止まる日
11月ももう下旬。もうすぐ年末が訪れる。
今年は驚く程濃い1年だった。
華のセブンティーン、私は満喫しているだろうか。
私の中の及第点は十分超えている。
歳を重ねれば重ねるほど、時の流れが早くなると言うが、今年の私にそんなことはなかった。
学校に行かず、ただぼんやりとベッドで過ごす1日は思っていたより長かった。
学校では終礼が終わる時間帯を狙って、私は一夏にお見舞いにくる必要はないことを連絡した。
5分もすると既読が着き、返信の代わりに電話がなる。
「もしもし?」
『由羅大丈夫なの?』
耳元でなる大きな一夏の声に私は驚き半分、呆れ半分。
「大丈夫だって言ったでしょう?」
『でも、由羅が体調不良になるなんてあれ以来ないじゃない!』
一夏があまりに必死に私は思わず笑ってしまった。
「大丈夫、体調はだいぶ良くなったし、明日は予算総会なんだから行くよ。」
私は壁に貼られた年間予定表を見て言った。
『私は本当に心配なの、本当に大丈夫なの?』
「大丈夫だって言ったじゃない。
今日は大事をとって学校もバイトも休んだんだから、明日からはちゃんと活動しなきゃ。
じゃあ、そろそろ心菜が帰ってくるし、ばいばい。」
これ以上話していても同じことの繰り返しになるのは長年付き合ってきてるからわかっている。
私は一夏の返事を聞かずに電話を切った。