砂時計が止まる日
翌日。
予想以上の一夏の心配の声をあしらいながら学校に辿り着いた。
カフェには面談で遅れることはもう伝えてある。
昨日も授業があった教科は少し乗り遅れていてわからないところがあったけれど1日、どうにかのりきった。
予算総会も無事終わった終礼後、私は職員室に向かう。
「失礼します。」
私がそう言って職員室に入るとすぐに電話の相手である先生が出てきた。
「新垣さん、こっち。」
先生に職員室の隣の小部屋に通された。
この部屋が使われているのなんてほとんど見ることはない。
他に聞かれてはいけないような話をされるのだろう。
さあ、何を言われるか。
「新垣さんは確か特待生だったわよね。」
彼女は私の名前の書かれたファイルを見ながら言う。
「前回の試験の結果に至らぬ点がありましたか?」
「いいえ、そんなことないわよ。
周りが大きく点を落とす中、あなたはいつも通り好成績を収めてます。
もしかして、試験の点数が悪くて特待生の取り消しでもされると思った?そんな心配はいらないわ。
むしろ、今回のお話は逆よ。」
少し笑みを称えながら話していた先生が最後の一言で突然、真剣な面持ちに変わった。