砂時計が止まる日
けれど今は違う。
彼女の可愛らしい一面やこれまでの苦労、弱い部分...
色んな面を見てきたと思う。
あの時、新垣が学院長室に入ってきてくれたこと。
あぁ、僕がしっかり閉めなかったことが全ての始まりかもしれない。
「今、どこ見てる?」
彼女は僕の手元を覗き込んだ。
「うん、本当に見て欲しいのはもっと後ろなの。」
新垣の言う通り、ページをめくっていった。
「もうちょっと後ろ。」
僕が写真の載っている最後のページにたどり着いてもそう言う。
その後ろは、卒業文集だ。
「文集の私のページ見てほしいの。」
彼女の指示通り、僕はそのページを探した。
「うちの学校、卒業文集の題名は自由で。
私たちの年のテーマは“私の過去、現在、未来”でね。
私はこの場所で初めて病気のことを詳しく他人に伝えたの。
...あ、その次のページ。読んでみて。」