砂時計が止まる日


それから2人で長々と話し続けた。



淹れてもらった2杯目の紅茶ももうすっかり冷めてしまった。



「じゃあ、またね。」



「うん、次会えるのはいつかわからないけど、学校で、会おう。」



新垣は僕を玄関まで送ってくれた。




ドアが閉まり自宅へと足を向けようとした時だった。

鍵が締まる音の代わりに大きな物音がした。



嫌な予感が脳裏を過ぎ、僕は体の向きを反対に向けた。



「新垣!新垣!?」



僕はドアを叩きながら声を上げた。

返事は返っては来ず、僕は慌ててドアを開けた。



そこには玄関で倒れている彼女がいた。



急いで駆け寄り、声をかけるも意識がない。

ポケットからスマホを取り出して119に電話をかける。



「あの!友人が倒れて!
救急車、お願いします!」



そこまで言って靴箱の上に置かれていた郵便物の住所を確認した。



その電話をかけ終わったあと、SNSの連絡先から荒木を探し、電話をかけた。



「もしもし!」



《何、どうしたの白川君?》



僕の声とは対照的に落ち着いている荒木。



「今、新垣の家に来てたんだけど、新垣が倒れて!

救急車は呼んだんだけどやっぱ誰かいた方がいいと思って。」



《え、今由羅の家だよね?すぐ行く!》



荒木の方でも空気が変わったのが電話越しにも伝わってくる。



ぷつりときれた電話を確認し、僕は新垣の様子を確かめていた。

< 174 / 200 >

この作品をシェア

pagetop