砂時計が止まる日


「白川君!」



開けっ放しのドアから荒木が見えたのは電話をかけてから数分のことだった。

自転車が停められてこっちに走ってくる。



新垣の横に来るとすぐしゃがみ、手首で脈を確認し、体温を触って確認、指先の圧迫を行って血の巡りなどを確認していた。



「大丈夫、全部正常。」



するとサイレンが近付いてきて荒木はすぐにここだとアピールした。



「呼吸、心拍正常です。

この子持病があって主治医が松木東病院にいるのでそこに運んでください。



主治医と病院には私から連絡します。
お願いします。」



救急隊員に荒木がそう話しながらこっちに向かってきた。



新垣が担架に乗せられて救急車に担ぎ込まれた。

荒木も救急車に乗り込みこっちを見る。



「白川くんは?」



「僕はいいよ。

きっとしばらく戻ってこれないだろうから砂時計とかもある方がいいでしょう?



松木東病院だろう?

戸締りして行くから新垣の家族にも伝えておいて。」



僕の言葉に荒木は頷き、救急隊員に“お願いします”と言って救急車の後ろドアが閉められた。

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